教科同士を絡めて、他教科との繋がりを書く

 国語の『「グループ発表会」をひらこう』で、グループ発表会の出し物を決める話し合いでのことです。あるグループで「劇」と「本の音読」、「合奏」で意見が分かれました。そこで、みんなで話し合いました。すると初めは「一番やりたい人が多かったげきをやろう。」という意見が。すると、「でも、音読をやりたい人もいたから、劇の中でその人たちがナレーター役をやればいいんじゃない?」という意見に発展し、「じゃあ、合奏の人もいたから、劇の中で音楽を演奏したり、BGMを流したらどうかな?」という結論になりました。

 学級活動の学級会で学習しているように、誰の意見もないがしろにせず、生かそうとする姿勢が素晴らしかったエピソードです。まさに「折り合い」をつけた話し合い、「合意形成」ができた瞬間でした。正直、低学年でこんな高度なことができているのは驚きです。担任として嬉しく思います。これからの話し合い、学び合いが楽しみです!

素直にまっすぐ育ってほしい

保護者に考えてほしい問題を一緒に考えて書く

 日光東照宮の壁面の彫刻である「見ざる 言わざる 聞かざる」の三猿をご存知の方は多いと思います。では、あの彫刻の意味や、言葉の意味についてはいかがでしょうか。実は、私は知りませんでした。今回は日光東照宮の「見ざる 言わざる 聞かざる」について書きます。

 日光では人生の手本として猿の彫刻が表現されているようです。全てで8面あり、「親猿が小猿の将来を案ずる様子」「小猿の耳を塞ぎ、口を覆い、目を隠す様子」「小猿の一人立ちの様子」「志高く、天を仰ぐ様子」「人生に挫折し、持つべきものは友だと知る様子」「恋をして物思いにふける様子」「夫婦で荒波を乗り越える様子」「大人になり新しい生命を宿し母になる様子」の8つに分かれています。その2面目に「見ざる言わざる聞かざる」が飾られています。

 その「見ざる言わざる聞かざる」彫刻の意味は、「余計なことは見たり聞いたりしても、むやみに他人に話すものではありません。」という解釈で知っているという方がほとんどだと思います。しかし、それに加え「子供のころは、世の悪いことを見たり、聞いたり、言ったりせず、素直にまっすぐ育ちなさい」という意味も含まれているようです。

 そこから私は、「今の世の中の子は素直に真っすぐ育てにくい環境だなあ」と感じました。インターネット、ニュース、Youtube、アプリ、スマホタブレット、・・・。情報が簡単に手に入ります。(便利ですが・・・)子供でさえ簡単に情報を得ることができます。異常気象、人権問題、ハラスメント、企業問題、危険運転・・・世の中の良いこと悪いこと・・・とてもじゃないけれど、素直にまっすぐ成長できる環境にはないと思います。

 だからこそわたしたち大人が、子供達の触れている情報について考える必要があるのではないでしょうか?

お子さんが今、そのスマホで静かにどんな動画を見ているか知っていますか?

一瞬の輝きのためにたくさん練習してきました

子供の思いをつないで書く

 クラスのみなさんにはいつも言うのですが、「小学○年生の運動会」は一生に一回きりです。おうちの人にも、先生にも、近所のおばさん方にも、となりのおじいちゃん方にもその「一度きり」があったはずです。小学校○年生の運動会という日は一生の中の、たった一日だけで、長い人生の中ではほんの一瞬です。でも、そのたった一瞬のために、毎回の練習を大切に、大切な思い出の一つとなるように一生懸命練習してきました。

 「運動会で頑張りたいこと」のお題で一ページ日記を書きました。一部ですが紹介します。

運動会でがんばることは3つあります。1つ目は一番楽しみな組体操です。理由は味ぽん先生が夜おそい時間まで、たい形などを考えてくれたので、この学年でそれに応えたいからです。・・・

                             ○○さん

 

・・・見ている人を感動させたいからです。味ぽん先生が言っていたように「人を感動させられる○年生になろう」という言葉で、頑張ろうと思いました。みんなと協力すれば必ず感動させられると思います。なので頑張りたいです。

                              △△さん

 

・・・自分がくずれてしまうとえんぎがだいなしになってしまう。自分が支えて、みんなで一つの形を作りたい。・・・いろいろな先生がわたしたちのために一生けんめい支えてくれているのでたくさん練習し、期待に応えられるように頑張りたいです。

                             □□さん

 

運動会でがんばることは味ぽん先生の期待に応えることです。◇◇先生が「実はね、味ぽん先生は夜までずーっと君らのこと、運動会のことを考えているんだよ。だから君らは期待にこたえなくちゃ。」と言っていたのでその時、しっかりと練習をしようと思いました。

                              ●●さん

 

年長のときに小学校で○年生がやっている組体操を見てかっこいい!と思ったからです。今の練習ではわたしは移動が苦手です。でも○年生全員で力を合わせ協力して頑張っています。苦手な技があっても、移動が苦手だとしても、手にすながつくだろうと、かまわず最後まであきらめずに頑張っていきたいです。 

                             ▲▲さん

・・・今年初めてリレーの選手になれたからです。・・・全力を出して、一位で次の人にバトンをわたしたいです。・・・低学年のお手本になることです。態度、声など全てで低学年のお手本になりたいです。あと、自分の用具係をまだやり方はわからないけど運動会を成功させるためにも真けんにやりたいです。

                             ■■さん

 

 ほかのみんなもたくさんがんばることを書いていましたね。一人一人の目標、学年の目標に向かって頑張っていきましょう!

努力は人を裏切らない!

努力は足し算、協力はかけ算!

「成長するとき」ってどんなとき?

クラス全体がダレて来たとき、気持ちを入れ替えさせたいことを書く

 みなさんは、「成長するとき」ってどんなときだと思いますか?

「ねているとき!」と思った人は、残念ながら半分正解で半分不正解です。たしかに人は(子供は?)特に「ねむってているとき」に主に「体が」成長しています。

 じゃあ「心が」成長するときってどんなときだと思いますか?

 先生は、「あぁ~、少しキツいなぁ~。」と思うときが「心が成長している」ときだと思っています。マラソンをして体力をつけようとしているとします。ゆ~っくり歩いていたら、そりゃ体力はつきませんよね?(運動不足解消にはなるかもしれませんが。)じゃあ、思いっきり体を壊すぐらい走ればいいでしょうか?それだと体を壊してしまってけっきょく体力なんかつきませんよね?「少し」「キツい」なと思うぐらいで続けていると体力は少しずつアップするはずです。

 じゃあ、こころを成長させるためには?●組の黒板には今だけ「自分を甘やかさない」と書いてあります。自分を甘やかさず、手をぬかず、「少しキツいな」と思うぐらいで生活してみるといいのではないかと思います。残念ながら人間は手をぬこうと思えばいくらでも手をぬけてしまうんです。(先生も気をつけよう・・・。)だから自分を高めるためにも、「少しキツい」「甘やかさない」を心に生活すると成長するチャンスをつかめると思います。

 もちろんいじめなど、不当につらい思いをするのであればそれは成長するチャンスでも何でもないので、逃げていいんです。すぐに先生やおうちの人に相談してくださいね。

 今回は少し、厳しい話もありましたが、みんなならきっとわかって、力に変えていってくれると信じています!頑張ろう!

学びあっています

学習の様子から気付いたこと、伝えたいことを書く

 最近の社会科の授業での話をします。

 社会科では「国土の地形の特色」ということで、「山脈や火山について」や「低い土地のくらし」について学習しています。

 資料を読み取っていくうちに、どうやら日本の火山の数は世界中の火山の数の10分の1ほど(世界中の約10パーセント)にあたるということがわかりました。

 ここで、一つの疑問をみんなに投げかけみました。

「10パーセントって多いのかい?」

「テストで100点満点中10点ってことだよね?」

「10点とったらおうちの人は・・・。」

「ツノが生えます!(優しい表現でお送りしています)」

「それはなんで?」

「点数が低すぎるからです!」

「じゃあ10パーセントは少ないのかな?多いのかな?」

ここでうちのクラスでは学び合いが始まります。

多いと思う子、少ないと思う子いろんな意見が飛び交います。

 すると、○○さんが・・・「多いと思います。理由は、日本は面積がせまいはずなのにその中に世界のうちの10パーセントもあるからです。」

△△さんが「やっぱり多いと思います。約190ぐらい国がある中で日本に10パーセントもあるからです。」

 先生も正直「ここまで気づけるのか!」とびっくりしました。今まで習ってきた学習や生活の中から知っていることなどを生かして考える姿は立派でした。

 また、「低い土地のくらし」の授業でも、「輪中に住む人々は、くらしを水害からどのように守ってきたのでしょうか。」という課題で調べ学習をしながら学び合っていく中で、◇◇さん、□□さんたちの班では「水屋はなんで石が積んであるんだろう?」と新たな疑問が・・・

「高くするためだから木とかでもいいんじゃない?」

「それだと弱くて流されちゃうんじゃない?」

「だから石なのか!」

こんな会話が聞こえてきました。

「こんなきれいにつめないよね。」

「(写真を指差して)こうやってつんでいけば・・・。」

まだまだ会話は続きましたが、書ききれないのでこのへんで・・・。

 すこーし話が脱線(だっせん)しているような気もしますが、とても学びが深まっている証(あかし)だと思います。「日本には火山が111山ある。」「輪中には水屋という建物がある。」たったのこれを知り、覚えるだけですが、こんなにたくさんのことに気づけました。

 でもこれはきっと将来みんなに求められることだと思います。人の心の中は見えません。だから言葉があるのだと思います。言葉を交わすことをコミュニケーションと言うのはみんなも知っていると思います。これからの世の中は人と人とのつながりやコミュニケーションが大切になってくるんではないかなと先生は考えています。だって、AI(人工知能)にコミュニケーションは取れますか?みんなが大人になるころには、きっと今ある職業の半分はなくなるかもしれません。人工知能やロボットのほうが疲れたりしないし、お給料もはらったりせずにすみます。人間はそういったところでは勝てないんです。じゃあやっぱり大事になってくるのはコミュニケーションなんじゃないかなと先生は思っています。これからも続けてどんどん力をつけていきましょう。

我以外皆我師

歴史の人物や偉人の名言を引用して伝えたいことを書く

 みなさんは宮本(みやもと)武蔵(むさし)という歴史上の人物を知っているでしょうか。宮本武蔵と佐々木(ささき)小次郎(こじろう)の「巌流(がんりゅう)島(じま)の戦い」の話はもしかしたら聞いたことがある人もいるかもしれません。6年生から社会科では歴史が始まります。歴史上の人物に興味がある人はぜひ調べてみてくださいね。

その宮本武蔵の残した言葉の一つに

「我以外皆我師」(われいがい みなわがし)という言葉があります。意味は「我(自分)以外の全ては、みんな師匠(ししょう)(先生)である。」という意味です。気が合う人、気が合わない人、好きな教科、嫌いな教科、得意なスポーツ、苦手なスポーツ・・・などなど、自分と関わる人や物、全てに意味があって、「全ては自分を成長させてくれる材料(ざいりょう)」だということです。

 例えば、人にいつも親切にしている人がいるとします。「あれってステキだな」と思えば「自分に取り入れよう」というようにしていきます。

 例えば、悪口ばかり言う人がいるとします。「あれは良くないなあ」と思えば、「自分はやらないようにしよう」と「人の振り見て我が振り直す」わけです。さらに言えば、これから長い人生、どうしても気が合わない人は必ず現れます。そのときどうするか今練習しておこうと思えば、前向きに考えられるし、その「苦手な人」から「苦手な人と上手くやっていくにはどうすればいいか」ということを教えてもらえるわけです。

全てはみんなの考え方しだいだと思います。嫌なことや失敗したことがあって「サイアクー。」「ムカツクー。」「なんで自分ばっかり・・・。」「あいつのせいで。」

と考えているだけで前へ進めないのか。それとも、嫌なことや失敗から「どうしてこうなってしまったんだろう。」「どうすれば失敗しなかったのかな?」「失敗を次へ生かせばいいんだ。」「失敗は反省して今度からは気をつけよう。」と考えて前へ進むのか。それはみんなしだいです。

離任式

行事に絡めて気付いてほしいこと、大切にしてほしいことを書く

 先日、離任式がありました。●年●組は特にお世話になった○○先生、△△先生、□□先生に手紙を書きました。手紙を◎◎さんが読み、花束を◇◇さんが渡してくれました。

 全校の前で堂々と手紙を読む姿は素晴らしかったです。花束も、気持ちのこもった「ありがとう」とともに渡してくれました。みんなが帰ったあと、先生方とお話する機会がありましたが、本当に、本当に嬉しかったそうですよ。

 春は新しい出会いがたくさんあります。しかし、別れもたくさんありますね。みなさんの手紙は、全て目を通しましたが、内容を見ると、たくさんの大切なことが書いてありました。きっとこの離任式では、「多くの支えの中で今の自分がある」ということを学べたのではないかなと思います。人は決して一人では生きられません。一人だけで大きくなった人は誰もいません。先生もそうでした。その支えに気付くことが大切で、そのお礼の仕方は何も感謝の言葉である「ありがとう」を言うだけではありません。立派に成長した姿を見せるのもれっきとした感謝なんですよ。みんなの立派な姿が見られた素晴らしい式でした。